ハーセプチンによる治療を行っている
患者さんとご家族の方へ
くすりの特徴と副作用について正しくご理解いただき、
主治医の指導に必ず従ってください。
くすりの特徴と副作用について正しくご理解いただき、
主治医の指導に必ず従ってください。
正常な細胞は、一定の秩序を保って増殖しており、必要な分だけ成長した後は増殖が止まります。指にできた切り傷が、1週間くらいで元どおりに治るのは、このためです。
これは細胞の中に増殖をコントロールする遺伝子があって、無制限に増殖しないためのしくみが働いているからです。
しかし、何らかの原因で遺伝子に傷がつき、増殖をコントロールするしくみが働かなくなると、細胞は無秩序に増え続けるようになります。これががん細胞です。
正常細胞
がん細胞
通常、乳がん細胞の増殖はゆっくりで、直径1cmになるのに10年くらいかかるのですが、中には増殖のスピードが速い細胞があり、その性質について研究が進められてきました。
そして、細胞の表面に、「増殖に必要なえさを取り込むための手(受容体)」を持っているものがあることがわかりました。この手を持っている細胞は、持っていない細胞にくらべ、えさをたくさん取り込むことができるので、活発に増殖すると考えられています。
このえさを取り込むための手が「HER2(ハーツー)タンパク」です。
乳がんでは、約4人に1人の患者さんで正常の1,000~10,000倍の量のHER2タンパクがみられます。
HER2タンパクを
たくさん持つがん細胞
えさ(栄養)の
取り込み