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HER2(ハーツー)タンパクとは

がん細胞が増えるしくみ

正常な細胞は、必要な分だけ成長した後は増殖が止まります。これは、細胞の中で増殖をコントロールする遺伝子が働いているからです。

しかし、何らかの原因で遺伝子に傷がつき、増殖をコントロールする遺伝子が働かなくなると、細胞は無秩序に増え続けるようになります。これががん細胞です。

正常な細胞は、必要以上に増えません。
正常細胞
がん細胞は、無秩序に増え続けます。
がん細胞

HER2タンパクってなに?

通常、乳がん細胞の増殖はゆっくりで、直径1cmになるのに10年くらいかかるのですが、なかには増殖のスピードが速い細胞があり、その性質について研究が進められてきました。

そして細胞の表面に、「増殖に必要なえさを取り込むための手(受容体)」を持っているものがあることがわかりました。この手を持っている細胞は、持っていない細胞にくらべ、えさをたくさん取り込むことができるので、活発に増殖すると考えられています。このえさを取り込むための手が「HER2(ハーツー)タンパク」です。

乳がんでは、約4人に1人の患者さんで正常の1,000~10,000倍の量のHER 2タンパクがみられます。

がん細胞では、えさを取り込む手となるHER2タンパクをたくさん持っています。
HER2タンパクを
たくさん持つがん細胞
HER2タンパクをたくさん持っているがん細胞は、えさをたくさん取り込むことができ、活発に増殖します。
えさ(栄養)の
取り込み