アバスチンによる治療でみられる主な副作用
副作用のあらわれ方には個人差があり、すべての患者さんに起こるとは限りませんが、なかには重症化して危険なものもあります。
予測される副作用については、症状の悪化を防ぐための対策など、患者さんご自身もよく理解しておくことが大切です。
アバスチンをほかの抗がん剤と併用すると、抗がん剤だけの治療を受けた場合に比べ、次の副作用が多くみられます。
- 高血圧
- 尿にたん白が出る(たん白尿)
- 粘膜からの出血(鼻血、歯ぐきなどからの出血)
- 白血球数・好中球数の減少(菌やウイルスなどに対する抵抗力の低下) など
また、以下のような注意を要する副作用が報告されています。
- 消化管に穴があく(消化管穿孔)
- 傷口が治りにくくなる(創傷治癒遅延)
- 腫瘍(がん)からの出血
- 動脈や静脈の中に血液のかたまりができる(心筋梗塞、脳梗塞、深部静脈血栓症※ など)
- けいれん発作、視覚障害 など(可逆性後白質脳症症候群※※)
- 感染症
- うっ血性心不全
- 肺の炎症(間質性肺炎)
- 毛細血管に血液のかたまりができる(血栓性微小血管症)
- 動脈の壁の内層が破れて、壁の中間層から剥がれる(動脈解離)
- ※深部静脈血栓症とは、足の表面ではなく、深いところにある太い血管に血栓ができ、血の流れが悪くなることで障害が出る病気です。
- ※※可逆性後白質脳症症候群とは、急激に血圧が上昇することで大脳に起こる病気です。適切な治療を行うことで回復することから“可逆性”とされています。