HER2（ ハーツー）タンパクとは

がん細胞が増えるしくみ

正常な細胞は、必要な分だけ成長した後は増殖が止まります。これは、細胞の中で増殖をコントロールする遺伝子が働いているからです。

しかし、何らかの原因で遺伝子に傷がつき、増殖をコントロールする遺伝子が働かなくなると、細胞は無秩序に増え続けるようになります。これががん細胞です。

HER2タンパクはがん細胞増殖の「指示役」

乳がん細胞の中には、急速に増殖する性質のものがあり、このタイプの乳がん細胞は「HER2タンパク」というタンパク質をたくさん持っていることがわかっています。HER2タンパクは2つ一組で協力してがん細胞に増殖の指示を出すと考えられるため、HER2タンパクを持っている細胞は、持っていない細胞にくらべ、増殖することができると考えられています。したがって、HER2タンパクがたくさんあると、がん細胞はどんどん増殖していきます。